インテリアアートの二次流通価格について

えー、マンガジャパン広報担当言うところの (アートとして漫画の画像も社会的に認めさせたいという) の実現に一足かった企画 である漫画家のエスタンプ高額販売ですが、美術業界側の評価がどうかといいますとですね。

まず、まっとうな画商(タブローとオリジナル版画しかあつかわない)は、漫画家の複製画なんか評価の対象外。
鑑定を依頼しても、額縁代だけしかつけてくれない。
(「漫画家の描いた絵だから価値がない」のではなく、単なるエスタンプだから「美術品」としては評価の対象外。「ポスター」でしかない、ということ)

インテリアアートまであつかっている間口の広いアートオークションでの評価はというと…
毎日アートオークションでは、「絵画・版画・彫刻」部門のジャンル分けは 「近世絵画・浮世絵・版画」「現代版画・挿画本・作品集」「インテリアアート」という風に区分しています。

「現代版画・挿画本・作品集」であつかっているのは、美術年鑑に載ってる作家の作品。
基本的にはオリジナル版画のはずだけど、日本画の大センセイが新聞社と組んで作ったエスタンプや、版上サイン・遺族サインのものも多い。わずかに印刷物も。

まともな作家のオリジナル版画でも、素人がイメージする程には高くないんですよね。
鑑定書付の棟方志功が430,000円、千住博が1,000,000円。
む、ヒロ・ヤマガタのシルクもこっちに入ってるか(評価額50,000~100,000 円で、落札価格はおおむね10万以下)。


ラッセンとかは、インテリアアート(海外)セクション。
(開催ジャンル「絵画・版画・彫刻」インテリアアート(海外))

クリスチャン・ラッセン、評価額50,000~70,000 円
カーク・レイナート、評価額60,000~80,000 円
シム・シメール、評価額50,000~70,000

マンガジャパンの大先生たちの作品は、もちろん現代版画ではなくインテリアアート(日本)ですよ~。
(開催ジャンル 「絵画・版画・彫刻」 インテリアアート(日本))

では、オープン・ザ・プライス!

第211回(2006/12/09)LOT0855
石ノ森章太郎「サイボーグ009 ~明日へ~」
シルクスクリーン(53.5×38.5cm ed.450)

評価額30,000~50,000 円、落札価格は20,000 円

ああ、イベントで360,000円で売ってたヤツね。

 

第211回(2006/12/09)LOT0857
松本零士「ハーロックとアルカディア1号艦」
シルクスクリーン(45.5×65cm サイン有 ed.250)

評価額30,000~50,000 円、落札価格は20,000 円

アートコレクションハウスで260,000円のヤツだよ…。

過去の落札記録を見ると、

第208回(2006/10/21)LOT0085
石ノ森章太郎 [3点セット]
「THE WIND BLOW」 ジークレー(40×54.5cm 版上サイン ed.CL)
「THE CYCLONE」 ジークレー(40×54.5cm 版上サイン ed.150)
「GO ! CYCLONE」 ジークレー(55×39.5cm 版上サイン ed.450) 

落札価格は45,000円

むしろ、直筆サインもないのに一点1万円を超えたことを誉めてやるべきかも(額代コミだけど)。
業者がこの価格で落札して、2倍強の販売価格で店頭に置くわけですね。

尚、新品での販売価格は、

「THE WIND BLOW」 450,000円 ed.150
「THE CYCLONE」 450,000円 ed.150
「GO ! CYCLONE」 360,000円 ed.450

計1,260,000円ナリ。ボロい商売よねぇ~~~。

 

第208回(2006/10/21)LOT0086
松本零士 他[4点セット]
松本零士 「メーテル レジェンド」 ミックストメディア(45.5×65cm サイン有 ed.CCL)
石ノ森章太郎「スマイル・アゲイン」 ジークレー (53×39.5cm)
石ノ森章太郎「サイボーグ009 スターゲイザー」 ジークレー (55×39.5cm)
内尾和正「憶の響」 ミックストメディア(88×45.5cm サイン有)

落札価格は75,000 円

なんか、往年のファミコン抱き合わせ販売を思い出してしまったわけでありますが。
(多分、松本零士のサイン有メーテルがドラクエに相当するのでしょう)

つか、不勉強ですみませんが、内尾和正って、誰?
目の前の魔法の箱に聞いてみましょう。ポチっとな。
……映画版FFの背景担当のグラフィックデザイナーかよ。アートコレクションハウスも見境ねぇな。


新品での販売価格は、

石ノ森章太郎「スマイル・アゲイン」 450,000円 ed.150
石ノ森章太郎「サイボーグ009 スターゲイザー」 360,000円 ed.450
内尾和正「憶の響」 450,000円 ed.235

美術市場ではアレだけど、マニア系お宝市場ではもうちょっと良い値が期待できるかも。
と、まんだらけ通販をチェックしてみると…。

参考: まんだらけ通販 キーワード「アートコレクションハウス」検索結果
参考: まんだらけ通販 キーワード「アールビバン」検索結果

石ノ森章太郎「THE WIND BLOW」 定価450,000円→42,000円(税込)
石ノ森章太郎「サイボーグ009 ~明日へ~」 定価360,000円→31,500円(税込)
松本零士「ハーロックとアルカディア1号艦」 定価260,000円→31,500円(税込)

…ダメだ、こりゃ。
販売価格が3~4万円ということは、買取価格は2万もしないでしょう。

マンジャパとは関係ないけど、アールビバンのアイドル天野嘉孝センセの実勢価格は

第211回(2006/12/09)LOT0853
天野喜孝 [4点セット]
「肖像」 ミックストメディア(83.5×56cm ed.300) 
「魔法の森」 ミックストメディア(77×56cm ed.350)
「夢なりし」 ミックストメディア(79×56cm ed.400)
「白い炎」 ミックストメディア(82× 58cm ed.250)

評価額40,000~60,000 円、落札価格50,000 円

あー、こうなると、ヤフオクに出品して、5万くらいで売れるのを、辛抱強く待ったほうがマシですかね~。
ちょっとヤフオクも覗いてみましょう。天野のビバン版画で一番高い落札希望価格は…と。

天野喜孝 シルクスクリーン 『踵-きびす-』 FF7 希望落札価格: 1,000,000 円

おお。超強気な希望価格ですね。出品者のコメントもきっと力強いものでしょう!

(略)当時、68万で買いました。5年ローンで100万払ってますが…。ということで、希望設定額はそれが回収出来ればいいなぁということで設定してあるので、気にしないでくださいw 開始金額は40万。今すぐ必要な金額がこの額なので・・・。(略)

…えーと、その、なんというか、強く生きてください。一所懸命生きてりゃ、きっとそのうち良いこともあります!ガンバ!

『踵-きびす-』 は1997年制作だから、10年間、入場料300円を払って毎日毎日雨の日も風の日も、この絵が展示してある美術館に通ったと思えば、元はとれてますよ。
このビバン版画が、そこまでする価値がある絵なのかどうかまでは私にはわかりませんが。とにかくそういう事で!

何にせよ、100万も出して買った絵なのだから、毎日眺めなければ損です。
そういう点では、5~30万でギャルゲの絵師さんのジクレを「限定グッズ」として購入して、毎日ハアハアしている皆さんのほうが賢いですよね☆


じゃ、ヤフオクで「版画 天広直人」を検索してみましょう。
…………………。
…………。
…えと、聞いていいですか?
なんで個人出品のコメントには一度も飾っていない新品状態ですだの何度か出して見た位なので特に問題ないと思いますだの購入直後の確認と、今回の撮影用に開封した以外は箱にしまってありましただのいうのが多いのでしょう。

294,000円も出して等身大咲耶の絵を買って、飾りもしないで半額以下でオークション?

抱き枕なら41個も買える値段だぞ?!

大して欲しくもない商品を催眠商法で売りつけられたのなら、即、消費者センターに行って係の人のお説教喰らいながら、クーリングオフ書面の書き方を教わってきなさい!!

(個人的には、催眠商法で高額複製画を売りつけられるトンマよりも、自室に41個の美少女抱き枕を散乱させて悶え転がってる奴の方が、一本筋が通ったツワモノオタとして尊敬できるよ。一般社会での評価はともかくね)