キャンディ・キャンディ事件解決の為に最大限の尽力をした講談社

漫画作画者・いがらしゆみこが引き起こした『キャンディ・キャンディ』横領詐欺事件に関して、(株)講談社は既に『キャンディ・キャンディ』との法的関係はないにもかかわらず、事態の収拾の為に尽力しました。

(株)講談社は作画者・いがらしに対し、原著作者・水木杏子への謝罪と和解を行うように説得するとともに、地裁に対し計3通の陳述書を提出し、漫画制作現場における法的処理の実情と作品成立過程の事情について仔細な説明を行い、一流漫画出版社としての社会的責任を果たしました。

にもかかわらず、日本マンガ学会理事・長谷邦夫、牧野圭一等の「作画者シンパ」は、「講談社は裁判で証言しなかった。水木杏子を原著作者とする”理不尽な判決”が出たのは、講談社が裁判で証言を拒んだせい」などと、事実無根の悪質な虚偽を公私を問わぬ様々な場で吹聴しています。

2006年2月太田出版より刊行された、安藤健二著『封印作品の謎2』(文庫版タイトル『封印作品の謎 少年・少女マンガ編』)には、地裁に提出された講談社の陳述書の要約と、講談社社史編纂室部長・竹村好史氏への直接取材による事件に関する踏み込んだ証言が掲載されております。
長谷邦夫等による誹謗中傷から(株)講談社と原著作者・水木杏子氏の名誉を護るため、ここにその一部を掲載します。

本文には、この他にも非常に興味深い証言が収録されておりますので、ぜひお買い求めの上御一読ください。

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キャンディ・キャンディの誕生

講談社の『キャンディ・キャンディ』担当編集者(企画立ち上げから第3部完まで)だった清水満郎氏が98年3月、地裁に提出した陳述書の要約。

1.『キャンディ』の誕生理由

当時の少女漫画はいわゆる”学園もの”が中心だった。
しかし、いがらしさんの新連載を始めるにあたり、『なかよし』編集部では、より骨格のしっかりした大型の連載を目指し、いわゆる”名作もの”の企画で行こうということになった。
”名作もの”とは、著名な外国文学のように、長きにわたり読み継がれた作品のようなものをイメージしていた。
このような構想はかねてから東浦彰編集長が抱いていたものだが、編集会議でそういう方向を目指すことになった。
そして、原作者として水木さんが編集部で人選された。

2.『キャンディ』のコンセプト

基本的なコンセプトと設定は、漫画家のいがらしさん、原作者の水木さん、担当編集者である清水の3人で話し合って決めていった。
まず『ローズと7人のいとこ』という作品名が、いがらしさんから出て、『あしながおじさん』の話を清水が持ち出した。
水木さんも幼い頃から『赤毛のアン』などの名作ものは大好きだったということで企画に大変興味を示したため、以後は3人で話し合っていった。

3.『キャンディ』のストーリー展開

いがらしさんが希望や意見を出し、原作にそれが反映されることもあったが、ストーリーを作ったのは誰かといえば、やはり原作者である。
具体的なストーリーの展開は原作者の水木さんが作成し、その漫画化をいがらしさんが行なったと記憶している。

安藤健二著  『封印作品の謎2』(太田出版)P30-31より引用

日本マンガ学会理事・長谷邦夫は、様々な場で
「当時、圧倒的にいがらしサンのペースで仕切られていた」
「少女マンガの女王いがらしサンに、新人だった水木さんは当初言われるままに書かされてきた」
等と悪意に満ちた誹謗中傷を行っていますが、 それらの発言が真っ赤な嘘であることが、この陳述内容でご理解いただけると思います。

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「原作付き漫画」の著作権

講談社版権事業推進部長・新藤征夫氏が98年10月、地裁に提出した陳述書の要約。

1.「原作付き漫画」の著作権

原作は漫画のセリフやストーリーを構成する部分にすぎないもの、という考えはしない。「漫画の原作」は、漫画の著作物とは別個の独立した著作物であり、原作者は独立した原著作者だ。したがって、その原作をもとに執筆された漫画作品には、つねに原作者の原著作権が及んでいる。

2.「原作付き漫画」の原作者の扱い

このような「原作付き漫画」の二次利用(映画・テレビ・演劇など)の版権業務を行う際は、原作者と漫画家それぞれに事前許諾を得て、両者のクレジットも必ず表示するように義務づけている。商品化の際も同様である。連載以降に新しく描き下ろした登場人物の絵も、漫画の複製物であるため、原作者の権利が及ぶものと考えて、同じ扱いをしている。

3.『キャンディ』の著作権管理について

75年から契約解除となる95年までの20年間、講談社が著作権の管理をしていた。 その間、前述した「原作付き漫画」とまったく同じ版権処理をしていた。

安藤健二著  『封印作品の謎2』(太田出版)P31-32より引用

新藤氏は地裁判決の翌朝の新聞にも同様のコメントを寄せております。

漫画「キャンディ・キャンディ」の版権を以前管理していた出版元の講談社の新藤征夫・版権事業推進部長の話

一九九五年に五十嵐さんと、名木田さんの側から「自分たちで版権を管理したい」との要望があり、二人に返した。
原作者と漫画家だけで管理するのは珍しいケース。出版社が仲介する場合、契約で原作者と漫画家の権利は同等に定めるのが普通だ。
漫画にとって設定、ストーリー、世界観も重要な要素で、原作あっての漫画だといえる。
漫画家が絵だけの権利を主張しても通らないのが業界の常識になっている。

朝日新聞 1999年(平成11年)2月25日朝刊38面より引用

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講談社顧問弁護士の見解

講談社社史編纂室部長・竹村好史氏 談

――――講談社が「原作が原著作物である」という判断をしたのはなぜですか?

「はじめは私も漠然と、「共同著作物」かなと思っていましたが、社の顧問弁護士と相談したら『原作者は原著作者にあたる』ということになりまして、社内の方針としてそうなりました。
『キャンディ』の場合、漫画化される以前には原作は世に出ていなかったわけですが、制作の順序としては原作を見ながら描かれるということで、そうした手順の問題だと思っています。
ただ、原著作物であったにせよ共同著作物であったにせよ、双方の同意が得られなければ出版や商品化はできないわけであって、そこは大きな問題ではないと思います」

安藤健二著  『封印作品の謎2』(太田出版)P53より引用

(株)講談社の見解では初めから「水木杏子は”原著作者”」であり、連載時からその見解に沿った法的処理がなされていました。

にもかかわらず、日本マンガ学会では「最高裁判決で水木を原著作者と位置づけたのは、漫画界の実情を反映しない不条理な判決」とネガティブキャンペーンをはり、原著作者をカヤの外に置いて作画者一人を著作権フォーラムにまねいて、最高裁判決を非難しました。

そればかりでは終わらず、 日本マンガ学会著作権部会は、2005年10月13日の第3回著作権部会の席上で、

「キャンディ・キャンディ」のマンガ部分は、二次的著作物という解釈ではなく、ストーリー部分との共同著作物であるとなぜ解釈できないのか。
マンガ家がストーリー作家の合意なしに、商品化の許諾を与えて製作したグッズの販売が不能となって損害を蒙った業者は、利害関係人であるから、これらのグッズの販売を許諾(合意)しない作家を訴えることが、現状打破の一つの突破口にならないか。

等と最高裁判決及び講談社法務部の法的見解を非難し、原著作者・水木氏と商標権保持者である(株)東映アニメーションの正当な権利を侵して違法グッズを制作販売した業者を「被害者」と位置づけ、新たな裁判を起こすための扇動まで行っています。

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「いがらしの為の企画」ではなかった

講談社社史編纂室部長・竹村好史氏 談

「『世界の名作のいいところを全部出せないか』というようなコンセプトだったと思います。そんな露骨な言い方はしなかったとは思いますが……。
だから、みなし子、看護婦、いじめっ子と名作に出てくる要素はみんな出てきますよね。
そのうえで、水木さんといがらしさんを組ませるということになったんでしょう。編集会議でそう決まったはずです」

安藤健二著  『封印作品の謎2』(太田出版)P61-62より引用

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東京地裁の判断

東京地裁判決文

しかし、本件においては、前記第二、一(前提となる事実関係)に証拠(甲一、一二、丙一の1ないし5、二の1ないし4、三ないし七、九、一〇)及び弁論の全趣旨を総合すれば、

① 昭和四九年秋、なかよし編集部は、当時なかよしに連載中の被告【D】の著作に係る漫画「ひとりぼっちの太陽」の連載終了後に、同被告による新たな連載漫画をなかよしに連載することを企画し、被告【D】の担当編集者であった【I】が同被告との間で新たな連載漫画の構想を話し合うなかで、新連載漫画については、なかよし昭和五〇年四月号から連載を開始し、ストーリーの作成を原告が担当し、作画を被告【D】が担当することが決まり、昭和四九年一一月までの間に、【I】は、被告【D】及び原告とそれぞれ個別に打合せを行って、新連載漫画につき、舞台を外国として、主人公である孤児の少女が逆境に負けずに明るく生きていく姿を描くなどの、漫画の舞台設定、主人公の性格や基本的筋立て等の基本的構想を決定したこと、

② 右に引き続いて、同年一一月、原告と被告【D】は、【I】を交えて初めての打合せを行い、なかよし昭和五〇年四月号に掲載する連載第一回分の筋立てのほか、なかよし同年三月号に同漫画の予告を掲載するために必要な、漫画の題名、主人公の名前、キャラクター等について各自の意見を交換したが、その際、被告【D】は、携帯していたB5判の無地のレポート用紙綴りに、主人公のラフスケッチ(キャンディ原画)を描いたこと、

③ 右打合せの結果を踏まえて、原告は、本件連載漫画の連載第一回分の原作原稿を執筆していたところ、これと並行して、被告【D】は、【I】からの依頼に基づき、なかよし三月号に掲載する本件連載漫画の予告用の主人公キャンディのカット画(キャンディ予告原画)を作成して、昭和五〇年一月八日ころまでに【I】に渡したこと、

④ その後、同年一月中旬に、被告【D】は、原告の作成した連載第一回分の原作原稿を、【I】から受領したこと、が認められる。


東京地裁 平成11年(ワ)第20712号 著作権損害賠償請求事件
当裁判所の判断1 争点1(本件連載漫画の登場人物の絵のみを利用する行為に対して、原告の本件連載漫画の原著作者としての権利が及ぶかどうか)について(二)より

日本ユニ著作権センター判例全文より引用

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講談社側の証言まとめ

講談社側の証言を総合すると、

  • まず、 東浦彰編集長が「カルピス劇場のような名作路線を少女漫画で実現したい」という構想を持ち、 編集会議で、いがらしゆみこ作画の連載枠を使ってその企画を推進すると決定。
  • 東浦編集長のコーディネイトで「物語・名木田恵子(水木杏子)」「作画・いがらしゆみこ」というユニットが組まれた。
  • 物語の基本設定は、「名作路線の黄金パターンをすべて盛り込んだものとする」との編集部指定により、 一番最初の打ち合わせの場で原作者・作画者・担当編集者の3者がネタ出しをした。
  • 以後の連載では、 原作者がストーリーを発展させ具体的なエピソードとキャラクター(人格・設定の意)を作成した。

ということのようです。

日本マンガ学会理事・長谷邦夫が教育現場を含む様々な場で吹聴している、「少女マンガの女王いがらしサンに、新人だった水木さんは当初言われるままに書かされてきた」が真っ赤な嘘であることは明白です。

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講談社が再びキャンディ・キャンディの著作権管理をする可能性

講談社社史編纂室部長・竹村好史氏 談

――――講談社が再び著作権を管理するという話はなかったのですか?

「そうした声があったのは確かです。社内的にも前向きで希望を持っていました。
ただ、いがらしさんが控訴してしまったことで、すべて潰れてしまったんです。
高裁、最高裁と行ってしまったら収拾がつかない。いがらしさんが詐欺みたいなことをしたわけですから、非を認めて水木さんに謝罪をしないかぎりは、今後は前に進まないでしょう。

安藤健二著  『封印作品の謎2』(太田出版)P54より引用

いがらし側の意向は不明ですが、原著作者・水木杏子氏の方は作画者の口車に乗って講談社との契約を切ったことが一連の横領詐欺の始まりであり、この事件後、すべてを元に戻し講談社、東映アニメに私の権利を任せることができたらと願っておりますと表明しています。
また、漫画本に関しては今後講談社以外からの出版を許すつもりはない、とも宣言しています。

現在、講談社と『キャンディ・キャンディ』という作品の間には、何の法的関係もありません。
講談社がふたたび『キャンディ・キャンディ』を出版・版権管理をするには、新たに水木・いがらし両氏と契約を結び直さねばなりません。
その際には当然、講談社法務部の以前からの法的見解であり、最高裁判決によっても再度確認された「水木杏子は原著作者」「漫画作品『キャンディ・キャンディ』は原作原稿の二次的著作物」に則った契約書が作成されるはずです。

しかし、作画者・いがらしゆみこは現在も「最高裁判決は不条理」「水木を原著作者とした最高裁判決は不当」「原作と称する文字を書いただけの人に絵に関する権利を与えるなど受け入れられない」と、公私にわたって主張しており、日本マンガ学会も作画者の主張に同調しています。

このような現状では、講談社としても復刊のためのアクションはとれません。東映アニメーションの立場も同様です。

また、現在にいたるまで、作画者・いがらしゆみこは、原著作者・水木杏子氏、商標権保持者・東映アニメーションに対し、何の謝罪も表明しておらず、今まで行ってきた不正ビジネスに関する情報公開も拒んでいます。
事件が未解決のままでは、作品の正常化は到底不可能です。

その様な現状に加え、日本マンガ学会が水木氏・講談社・東映を陥れるような情報操作を行っている上、違法グッズ業者を煽って新たな裁判を起こす「提言」までしているのです。

事件の沈静化とキャンディビジネスの早期正常化は、原著作者・講談社・東映、そしてファンの切なる願いでした。
しかし、その願いは日本マンガ学会の悪質介入によって踏みにじられました。
日本マンガ学会理事等によって流されたデマ(「講談社は裁判で証言しなかった」等)が正され、紛糾した事態が治まるまでには、長い時間が必要でしょう。

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