蜘蛛之巣城

ドラゴンボール AF

Wikiに投稿した記事が荒らし騒動の末に消えてしまったので、増補版をこっちに保存しときます。

はじまりは、エイプリルフール企画

デマの出所は、2004年エイプリルフールにアメリカの大手Dragon BallファンサイトDaizenshuuが仕組んだ冗談企画である(それ以前から、既に閉鎖されたファンサイトで噂として流布されていたと言う説もあるが、詳細は不明)。

サイト管理人Michael LaBrieとJulian Grybowskiは、2000年頃から英語圏で散発的に発生していた「ドラゴンボールの続編」のデマを利用し、「広告ちらし」と「TVCM」を製作、2004年4月1日にサイト上にアップした。

「広告ちらし」

「広告ちらし」は『DRAGON BALL DVD BOX DRAGON BOX』の広告をベースとし、いくつかの版権画像に日本語テキストが加えられた(文法上の間違いを含めて原文ママ)。

新たなドラゴンボールアニメか!?本当!?
龍珠(ルビ:ドラゴンボール)伝説はとまらない!
〔Dragon Ball AFロゴ〕
本当だ!友達から聞いた!!!

見て見て~!!!!
僕は、「新たなドラゴンボールのシリーズがある」と一番友達から聞いたところだ!!
「鳥山先生は去年九月に死ぬ前にスーパー凄いドラゴンボールの物語を書いた」と言った!!!孫悟空は超サイヤ人5や6などになって、トランクスが邪悪になるんだよ!!友達のいとこのじいちゃんの兄さんは鳥山先生の隣の人だから、本物だと知ってる!!!!わくわく、わくわく。わ~くわくするんだ!!!
DRAGON BOXキャンペーン秘密!!
ドラゴンボールDVD BOXを2004.2.2日までに注文した人は特別なビックリをGETする!!!
「AF」秘密の試写のDVDはそのラッキーな方だけに登場する!!よかったねぇ~!!
鳥山先生は、とっても怒った!!
「この屑、一体何だ!?」
ジュリアンとマイクのやろう!!!!

この屑、一体何だ!?この四月バカの冗談は、ぜんぜん面白くないよ!!新しいシリーズをぜったいに書かないんだ!!!終わったよ!!!このことで、俺がぜったいに許さんぞ!!その二人はこの俺に殺されるのだ!!!逃げろ、バカめ!お前らの命は早くとっても短くなってる!!二人の頭は吾が暖炉の上にかかるときまで、俺が眠らんぞ!!!聞いてるか!?聞いてる!?
―2004年4月1日 鳥山明-

〔数年前に別サイトに置かれていた合成画像〕
悟空は超サイヤ人5になれるよ!君たちはこの画を前に見たかもしれないね…
ベジータンクス!!父と息子がフュージョンしたけど…トランクスは悪じゃない!?

テレビ試写は2004.8.25!!
放送初演 2004.9.8
7時30分からヲズテレビ、関東地方(ニュースのすぐ後)
〔Dragon Ball AFロゴ〕
『DRAGON BALL AF』は、今も完全に偽の噂なのだ!!
バードスタジオ、集英社、東映アニメーションへ
あなたはこれを読んでいますなら、怒らないで下さい。私たちはファンで、ウェブサイト「大全集イーエックス」の四月バカの冗談のためにこの宣伝を作りました。訴訟が欲しくないので私たちに訴えないで下さい。お願いします!!
2004年4月1日 ジュリアン・グライバウスキー、マイケル・ラブリー

ドラゴンボールは(C)バードスタジオ・集英社・東映アニメーション
この宣伝は、ウェブサイト「大全集イーエックス」が創造されました。

フェイクCM

「TVCM」は、既存の映像・音声のコラージュに加え、『ONE PIECE』よりDr.くれは(野沢雅子)、ルフィ(田中真弓)、『少女革命ウテナ』より西園寺莢一(草尾毅)の台詞が使用された。

更に「日本からの情報提供者」として「Mei Yamadori」(言うまでもなく「鳥山明」のもじりである)の署名まであるという念の入れようだった。


48秒の映像の合間に入る日本語のテキストは、以下の通り。

「この屑、一体何だ!?」――鳥山明
ドラゴンボールは終わったんだよ!
信じるな!!
ジュリアンとマイクは神様なんだ!!!!
鳥山先生は、とっても怒った!!
これを信じれば完全なバカだ!!
「AF」は絶対に偽なんだよ!
四月バ~カ!!
私たちに訴えないでください!!!(原文ママ)
お願いします!!!
ドラゴンボールエーエフ 9.8.2004(水)7時半からの放送
このCMは冗談です。

デマの拡大

この四月馬鹿企画自体は、後期本編の「強さのインフレ」振りをよく反映した、なかなか出来の良いパロディであった。
日本語の理解できるファンには瞬時に「ネタ」とわかり、優越感を得られる仕組みともなっていた。

しかしネット上の大半を占める日本語を解さないファンの内には、この企画が四月馬鹿である事に気づかず情報ソースを記さないまま自サイトに転載する者、メーリングリストで「日本からの最新情報」として吹聴する者もおり、以後「AFという続編」の噂がファンダムで一人歩きすることになる。

自サイトにAFの記事を掲載する英語圏のファンのなかには、事実関係を全て承知の上で「ネタ」として二次創作を行っているものもいた。

しかし事情に疎いファンがそれを公式情報として再配布し、更に日本のファンが「米国では勝手にAFという続編が作られている」と真に受けて日本語サイトで紹介、その日本語記事を英語圏のファンが「AF実在の証拠」として再配布…という具合に微妙な言葉の壁がデマを自己増殖させている。


「AFの実在」がいかに根強い噂であるかは、『ドラゴンボール』の米国における版元VIZ Media と北米の大手アニメ販売会社FUNimationから「AF非実在の公式声明」が出された、という事実からもうかがえる。

後に、拡大するデマに困惑したDaizenshuu管理人は、サイト内Rumor GuideでAFの実在を否定するとともに、事情説明の為の特設ページまで設置することとなったが、デマの完全な沈静には至っていない。

ネット時代における都市伝説のモデルケースとしては、興味深い題材である。