蜘蛛之巣城

SUPERとKick-Assと斬殺者

SUPERとKick-Ass

ジェームズ・ガン監督の『スーパー!』を観ました。ラストで滂沱。

マシュー・ヴォーン監督の『キック・アス』を観た後の感想で、映画としての出来を色々と褒めつつも

原作は徹底的に「地を這う」話でそれが味なんだけど、映画版は文字通り飛翔してる。エンタメ映画のカタルシスとしては非常に正しいけど、機会があったら原作も読んで欲しいな #kickassjp 10:05 PM Dec 19th, 2010 ついっぷる/twippleから

…と、「映画版のアレンジは成功してるし、何故変えたかも理解できるし、マーク・ミラーの作風が大好きという訳でもないし、これは正解…と言っていい…んだよ…ね……?」という、ちょっとモニョモニョした気持ちが滲む文章を付け加えてしまったのですが。

先日観たSUPERは、マシュー・ヴォーンがファンタジーで回避した原作版Kick-Assのあのキツさから逃げずに突っ走り、そしてマーク・ミラーが現実を見せ付けて投げっぱなしにした状況の更に先まで見事に走りぬけやがったのですよ!男ッッ!男だよ、ジェームズ・ガン!!

SUPERと斬殺者

マシュー・ヴォーンの描いた飛翔は美しいけど、あれはあくまで映画内だけのカタルシスだ。

醜怪な現実を見せつけてドヤ顔をするだけのマーク・ミラーの作風も、創作として「弱い」。

しかし本物のファンタジーは、単なる現実逃避だけで終わらず、人の生きる現実を上書きするだけの力を持つのだ。私はジェームズ・ガンが本作の最後に見せてくれたファンタジーを信じたい。信じて生きて行きたい。

愚かで醜悪で惨めで、勘違いも甚だしい道を狂乱のままに走りぬけた先に待つのは、聖女の見せる一片のなさけと、喪失を受け入れ、地を這い生き続ける事を選んだ男だけが得られる限りなく美しい憧れと悟り……というラストは、梶原一騎先生の『斬殺者』に似ている。

ボルティーちゃんの不思議

無論欠点というか、疑問点もあります。例のビッグダディを超えるマジキチキャラ、ボルティーちゃん。

彼女が何であそこまでキチなのかが分からない。
美人だし、ホームパーティーを開けば友達が沢山集まってくるし、H相手のボーイフレンドもいる。 フランクと違って社交性あるし形としてはちゃんとしてる。

それが何であそこまで鬱屈し怒りに満ちてるんだろ。ちょっとほのめかすだけでいいから彼女の背景も描いておいて欲しかったなぁと。

他にもいくつかあるけど、公開して日が浅いのでネタバレは回避。
とにかくキックアスを観た人はこちらも観て欲しい。


…と思ったら、来週のシネマハスラーに『スーパー!』来ちゃった。初感想メールしちゃおうかしら。

オマケ。

オマケその1:
ちなみにJames Gunn's PG Pornはお馬鹿で笑えるだけでなく、アメリカンセクシー記号表現を学習できるショートコント集なのである。

参考外部サイト:James Gunn's PG Porn

オマケその2:
公式ツイッターより

@super_movie_jp【おさらい】『スーパー!』劇中の「ホーリー・アヴェンジャー」のコミック(作:ジェームズ・ガン/絵:ジョー・ブルーム)ジョー・ブルームは似顔絵や風刺画のアーティストで、2003年NCNカリカチュアコンベンション世界大会優勝他6冠王です http://bit.ly/jC64mQ" via Twitter for Android 2011.08.28 01:25
@super_movie_jp【おさらい】『スーパー!』本編中に「ホーリー・アベンジャーズ」ってテレビ番組があるんですが、コレ、実在のテレビ番組ではありません。バイブル・マンというアメコミからインスパイアされているそうです。 via Twitter for Android 2011.08.28 01:35