蜘蛛之巣城

インドネシア発の特撮otakuゲーム『Pale Blue』 (2014-6-20追記

インドネシアの漫画家&ゲームアーティストSinlaire(Mukhlis Nur)さんの漫画Only Human 第三話の翻訳をしました(ホスティングサイトの閉鎖により、日本語版の公開は2015年1月末まで。再公開を希望する方はSinlaireさんに直接リクエストを送ってください)。

この章から、ほんわかした日常の背後にある剣呑な世界観が徐々に明かされて行きます…。

Sinlaireさんの本業はバンドンにある新興ゲーム開発会社Tinker Gamesのアート&ストーリー担当なのですが、前作『INheritage: 存在の境界』(日本語ローカライズ担当:架け橋ゲームズ)が高評価を得て、次回作であるPC用アクションゲーム『Pale Blue』では開発チームリーダーを務める事になりました。

ストーリー性の高い、かなりボリュームのあるWindows用2Dアクションゲームという事で、iPhone用のカジュアルなゲーム開発からスタートしたTinker Gamesにとってはかなりの大作になります。

その為、当節のトレンド通り資金集めにはクラウドファンディングのKickstarterを利用する事に決定。
6月20日締め切り、$48,000を目標としてファンディング受付が開始されました。

王道2Dアクションゲーム+日本特撮オマージュ+人外少女萌

『INheritage インヘリテージ』の日本での批評記事を見ると、一様に「シューティングゲームとしての丁重な造りと共に、日本のラノベ的なストーリー&キャラグラフィックとインドネシア固有文化とが無理なく融合したハイブリット感覚」が評価されています。

今回の『Pale Blue ペールブルー』はその要素を強化。

基本ゲームデザインは多彩なアクション要素を持つ横スクロール2Dゲーム+ストーリー分岐マルチエンディングのアドベンチャー。

ハック&スラッシュによる特殊アイテム獲得や技獲得要素、パズル要素などもあり。
影響を受けた古典として『ランペイジ:怪獣征服 (RAMPAGE)』、『ロックマン』『プリンス・オブ・ペルシャ(Prince of Persia)』『スプリンターセル(Splinter Cell)』等があげられています。

世界観のコンセプトは日本のヒーロー特撮ものの王道パターンですが、現代otaku文化的なキャラ・設定処理がなされています。

A-215 Type 00 - Ellen

主人公/自機はインドネシアの少女「エレン」

平凡な女学生だったエレンは、ある日世界征服をたくらむ秘密結社「COCOON」によって体内に「Pale Core」という特殊ユニットを埋め込まれてしまいます。

ホストボディの遺伝子を書換え、強大なパワーをもたらすペイルコアにより、エレンは次第に人外の怪物へと変貌。
捕食した人間や生物から様々なアビリティや情報を得て、ステージが進むにつれ、より凶悪なモンスターに…。

秘密結社COCOONの怪人「Pale Blue」として組織のミッションをこなし、破壊活動や暗殺、秘密基地防衛等を行い、敵として立ちふさがる「ヒーロー」達を倒してステージをクリアするのが基本進行(分岐あり)。

「ヒーロー」たち

5人組ヒーロー戦隊「Ordinary Rangers」

Ordinary Rangers

どうも、エレンに倒された後、シリーズ後半バージョンの「Aurora Ranger」にパワーアップするらしいw
合体ロボに乗り込んで巨大怪獣化したエレンと戦ったりするのかな?

単体改造人間ヒーロー「Iron Knight」

Iron Knight

インドネシアのディスコでは「仮面ライダーBlack RX」のテーマ曲が流れるそうだし、2013年には石森プロと提携して『ガルーダの騎士 ビマ(Bima Satria Garuda)』なんて特撮TVシリーズも制作してるし、インドネシア人まじライダー大好き。

超人ヒーロー「Alphaman」

Alphaman

アメリカから派遣されてきたんだろうか。

イメージムービーを見ると、ゲーム後半では他にもウルトラ巨大ヒーロー風の中ボスとも戦うっぽい?

秘密結社COCOON

秘密結社コクーンのメンバー。

エレンのクローン体「タミー」

マスプロダクト版ペイルコアとエレンの細胞を使用して「Pale Blue」の量産を目指した実験の結果、全てのクローン体が自壊死した中で唯一生き残った「不良品」。エレンを姉と慕う。コードネームは「Phantom Green」

条件を満たすとプレイアブルキャラとして使用可能。予算に余裕ができれば個別シナリオも作成するとの事。

戦闘員コフィン・ナイトの一体「フレイ」

秘密結社につきものの使い捨て戦闘員。エレンの細胞をベースとした同一のDNAからなる人工生命であり、戦闘により死亡すると肉体の分解再構成と記憶の初期化が行われて新たなコフィンナイトとして再誕する。

各個体には感情も個性もないはずなのだが、何故か一体だけ数回の再生を経ても死亡前の記憶が継承される個体が存在し、プロフェッサーより「フレイ」と名づけられた。

タミーはフレイに赤いスカーフを与えて可愛がり、フレイもエレンとタミーに対して強い忠誠心を抱いているのだが…。

こちらも予算に余裕ができた場合に特別シナリオが追加される予定。


「プロフェッサー」

人類社会に絶望し、秘密結社コクーンの総裁「テスラ」のユートピア計画に魂を売ったマッドサイエンティスト。
DEUS プロジェクトの責任者であり、エレンに過酷な運命を与えた張本人なのだが、エレン自身は彼を父親のように慕っている。

…ところで、本作とOnly Humanの間に設定上のつながりがあるとすると、エリーちゃんと「博士」の正体は中々エグい事に……。 (チャプター4で登場するキャラクターの髪飾りが「コクーン」のシンボルマークと同じデザインなんですよね)


コクーンの総裁「モナーク」ことテスラ博士

Alphaman

日本語版の制作予定は?

…という具合に、古典2Dアクションゲームとクラシック特撮番組にリスペクトを捧げつつ、現代日本のotakuシーンとリアルタイムでつながった中2的ダークロマンセンスとインドネシアン・ポップ感覚とで表現をアップデートさせたゲームとして、非常に期待がもてる企画です。

日本語版の発売予定について問い合わせてみたところ、
「モチーフがモチーフなので、当然日本市場も視野に入れている。ただしローカライズ企画を具体的に検討するのは英語版発売後」
という事なので、日本語版の発売は早くとも2016年頃になると思われ。

日本からの投資者には日本語版完成後にパッチを無償か割引価格で提供等の処置をしてくれればベストなんですがね。ローカライズがどういう形になるのか今の段階ではわからないのでニントモ。
アクションゲームなので、日本語字幕がなくとも、内容を把握するのはそれ程困難ではないと思いますが…。

まあとにかく、『INheritage インヘリテージ』をプレイしてTinker Gamesの次回作に期待している方、漫画『Only Human』でSinlaireさんのセンスを気に入った方、ファンコットや『ザ・レイド』でインドネシアン・ポップカルチャーに興味を持った方、最近のインドネシアでのotakuカルチャー人気の高まりに親近感を持ってる方、一口協力してみてはいかがでしょうか?

最低金額は「特製デスクトップ壁紙&エレンからのお礼メール」がもらえる$5。
$10でゲーム自体のデジタルコピーが予約購入できます(英語字幕)。
$25でサントラ版ダウンロード&ゲームのベータ版アクセス権、 $35で設定資料集ダウンロード+限定キャラクターアビリティ。

高額投資者は更にTシャツや印刷版のアートブック等の物理的オマケがもらえたり、自キャラをゲーム内に登場させたりできますが、10~35ドルコースが現実的かなと。 (私は先程35ドルコースに突っ込んできました)。

追記:

6月7日追記:
残り2週間弱70%強達成時点でストレッチゴールが発表されました。
53,000ドルでMacとLinuxへの対応。
63,000、68,000、78,000ドルで、ミッション追加やシナリオ追加、サウンドや背景グラのクオリティ上げ等。

これらに加え、「処理しなければならない問題が多いので確約はできないが、Wii-UやPSVita等のコンシューマ機への配信」に言及されています。
ファンディングで実現というよりPC版で実績が出せたら…という感じでしょう。
その場合は日本語版も配信されるのは確実と思われ。


6月20日追記:
Mac及びLinux対応を含むストレッチゴールまで達成し、$59,574を集めて終了。