蜘蛛之巣城

サイト縮小移転します& Chromatic Press 終了をめぐる雑感

さよなら「個人ホームページ」

2001年5月27日、北米のインターネット・ブーム時代に沢山あったITベンチャーの一つが提供していた個人サイトホスティングサービスを利用して開設した当サイトですが、その後しばらくしてFREESERVERSは他の多くの弱小ベンチャーと同じく大手に買収されてUnited Onlineのブランドの一つになり、更に2016年10月にUO内のブランド整理統合で現在のmysite.comに強制移転。

2016年から2019年にかけて国内外の老舗ホームページ作成サービスが次々と終了するのを見て、UOもいつまで続くかなぁと思いつつ、「今後の事は次の契約更新時(2019年9月18日)に考えよう」と、とりあえず続行してきました。

しかしながら、今年の9月前後にこのサイトで紹介してきた私の趣味と深くかかわるwebサービスやサイトが幾つか終了するのを知り、これも潮時と悟って「古式ゆかしいweb1.0のテキストサイト。」を標榜して続けてきた私の個人サイトも終了する事にしました。

このサイトで比較的アクセスの多かった記事、2019年現在も情報価値のありそうな記事はwixに作成中のアーカイブ 蜘蛛之巣城本丸跡地 に保存、古典翻訳関連は note.twitter(@SakrelBahr) アカウントで。
一番アクセスの多かった漫画原作の著作権関連の記事は別アカウントに只今ミラー作成中。

ここ2年のこと

まぁ、この本丸(オタネタ雑記ページ)、ここ2年は年一更新になっていたので今更活動縮小もへったくれもないんですけどねー。

記事を書かなく(書けなく)なった大きな理由が
(1) アメリカン・ヒーローコミック及び周辺映像作品について「語る」のをやめた(過去記事もあらかた消した)。
(2) manga系海外コミックをあまり読まなくなった。
(3) クラウドファンディングへの投資をやめた。



(1)は、いわゆる「界隈」に人が増えた分、気を使わなきゃならない事も増えて、昔のように無邪気にキャッキャウフフできなくなっちゃったのが理由。

(2)は、2011年~2015年までタイ企業が運営していたウェブコミック投稿プラットフォームInkblazersで私がボランティア翻訳メンバーとして作成したウェブコミックの日本語化原稿計750ページ強が、サービス終了と共にネットの藻屑と化したショックでmanga系海外コミックを発掘紹介する気力が失せた為。
あと、DeviantArtが廃れて海外作家のアートをembedで気軽に紹介できなくなったのも結構な痛手だった。


(3)は、高額投資をしていたインディゲームの開発が頓挫し、同じ頃にゲーム開発系のファンディングでトラブルが多発しているニュースに触れたのもあって、紹介記事の作成には慎重になった為(そのうちクラウドファンディング自体にも醒めた)。


……こんな調子で見事にここに書くネタがなくなり、趣味の翻訳対象は現代ウェブコミックからパブリックドメイン化した英米古典小説に移行し、今に至ると。

さよならSparkler Monthly

(2)(3)に関わる話ですが、 私が創刊準備(2013年)のKS高額コース投資をし、それから第三期まで有料会員としてつきあってきた女性ギーク向けweb雑誌Sparkler Monthlyが、「2019年7月刊行の最終号をもって終了、出版社のChromatic Press自体も12月に閉鎖」とアナウンスされました。


manga系創作コミック主体の英語圏の雑誌でいえば、YenPressの月刊 Yen Plus が2008年創刊、紙の雑誌は2010年まで、ウェブマガジンに移行して2013年に完全終了で約5年半。
他の泡沫雑誌はほとんどが1~2年で消えてますし、ベンチャーの独立系出版社が人気翻訳作品抜きの完全オリジナルのみで6年がんばったのだから、立派なものだと思います。


Sparkler Monthly誌自体の評価(三年目まで)としては、以前にも書きましたが「雑誌としてのバランスが悪い」「志は理解するが『LGBTマンガ系コミック&小説専門誌』というのはニッチ過ぎる」「主軸が弱い、特に自社企画ではなく既存の外部webコミックを掲載するようになってから雑誌としての印象が散漫になった」……という処でしょうか。

もっと欲望全開な娯楽作品、キャラ萌え特化で小ネタ満載なSNSでバズりやすい作品も早期に投入しとくべきだったかなぁと(私が読まなくなって以降の号ではそっち系を狙ったような作品も載せてたみたいですが)。

さよならOff*Beat

そもそも私がmanga系海外コミックの紹介記事を書き始めたのは、2006年~2008年にソフトバンク社が翻訳版の電子配信を開始したTokyoPopの「グローバルマンガ」を読んだのがきっかけ。

中でも特に気に入ったJen Lee Quick"Off*Beat"(日本語版タイトル 『オフ★ビート -BOY・ミーツ・BOY-』 )の最終巻が、 2008年の米経済悪化のあおりを喰らったTokyoPopの自社オリジナル漫画作品大量打ち切り決定により出版棚上げ&出版権の塩漬けになってしまい、「どうにかならんもんか……」と色々周辺情報を調べているうちに興味が広がっていったのですが。

"Off*Beat"は2013年にChromatic Press社が出版権を買い取って、Kickstarterで資金調達の上で Vol. 1、2の新装版刊行、新創刊のweb雑誌Sparkler Monthlyで完結編を連載、完結編単行本刊行。
私個人の初期目的は既に達成されているので、版元の廃業については「関係者の皆様ご苦労さま、ありがとう」以外には特に言うべきことはないかな。連載途中の他の掲載作品は恐らく提携先のHiveworksあたりに移籍して続くんだろうし。


唯一残念に思っているのは、"Off*Beat"完結編の日本語訳はこのまま出そうにないことくらい。
ネタバレを避ける為に今まで完結編のきちんとしたレビューを書かずにいたんだけど、新URLの方で改めて紹介記事を書こうかな?
てゆーか、他作品のレビュー記事の扱いはどうしよう。時評的な個所を削って作品紹介部分だけ残すか、さっぱり切り捨てるか……。


ちなみにInkblazers時代に私が作成した翻訳原稿750ページ強のうち、400ページ近くがJen Lee Quickの作品でした(内訳:"Witch's Quarry"318ページ、"The Normal One" 25ページ、"Threads" 27ページ、"Hungry" 28ページ)。

クイック先生にはInkblazers閉鎖時に「私の作成した日本語原稿は何処でもお好きなサイトに再アップロードしていいですよ、なんなら日本のウェブコミック投稿サービスのご案内をしましょうか?」とメッセージを送ったんだけど、結局そのまんまお蔵入りだったなー。
多分、自作品の多言語化にはあまり興味がないんだと思う。正直、「もったいないな」とは今でも思うけど、興味がないという意思表示をしている人にしつこく迫る訳にもいかないしね。

仮に今後、ウェブコミックの日本語訳を手掛ける機会があったら、今度はきちんと相手の意向を確認して、ある程度の信頼関係を築いてからにしよう、というのが本件から得た教訓。
今やってる古典翻訳は原著者との折衝に神経をすり減らさなくても済むので、その点に限れば気が楽だわ。

今後の予定とか

とりあえず、4月リリース予定だったのが延期された"Long Gone Days" のChapter 2がプレイ可能になったら、ここじゃなく新URLの方にレポ書きます。


もしも気力が残ってたら、17世紀のスペイン、フランスからオスマン帝国を股にかけた波乱万丈海洋冒険百合マンガ、Studio Kosenの"Windrose"の紹介記事を書きたい気持ちはあるのだが、予定は未定。

あと、最近70~80年代アメリカのいわゆる「ボディス・リッパー小説」をいくつか読んで、いろんな意味でおもしろかったので、それ関連の記事も書きたいのですが、これは急ぐ必要もないのでゆるゆると気の向いた時に。


一応、こんなところで。ではサヨウナラ~。