翻訳道楽

『ボルジアの紋章』kindke版と他電子書店版の違いについて

『ボルジアの紋章』kindke版縦書化しました

2013年5月 横書き版初版発行の『ボルジアの紋章(翻訳版)』(著者: ラファエル・サバチニ 訳者:イソノ武威 ASIN: B00CO6L0IE)を、2015年8月に縦書き・一部ルビ付・脚注付きの第二版に大幅修正しました。最新版は2015年8月24日更新バージョンです。

縦書化に伴い誤訳やタイプミス、訳文の見直しも行いました。
誤訳もそこそこ有りましたが(初版購入者の皆様申し訳ありません。陳謝 orz)、2年ぶりに再校正して目に付いたのは「日本語として不自然で飲み込みづらい文章」でして…。

言い訳になりますが、絵のデッサン狂いや光源の矛盾等は描いてから一晩置いて見なおせば気がつきますが、訳文の日本語としての不自然さって自分の脳から原文が綺麗サッパリ消えてからでないと気づきにくいんですよね…。出版前に何度もチェックしてはいるんですが、やはり第三者による校正って重要。

現在は『ボルジアの裁き』の修正作業中、『海賊ブラッド』はその次にとりかかりますので第二版発行は恐らく来年春あたりになるのではないかと。


9月24日追記:『ボルジアの裁き vol.1(ASIN: B00DLE58U4)』は9月20に縦書版出版済み、現在vol.2の校正作業中ですが、一箇所トンデモないミスを発見したので横書きのまま応急処置的に一部修正した第一版を出版しました。このミスは定本に使用した紙本がそもそも間違っているのですが、翻訳段階でもっと精査していれば気づけていたはずなので言い訳できない…orzうううっ。スミマセンスミマセン
極力速やかに第二版をアップロードできるように頑張ります……。

10月22日追記:『ボルジアの裁き vol.2(ASIN: B00HB96DFE)』は10月22日に縦書版出版完了。細かいミスがかなりありました…スミマセンスミマセン……うううっ。
これからブラッド船長の校正に入ります。


尚、縦書きmobi化の際に使用したepub3データは「でんでんコンバータ」で作成しました。ほんと便利!電書ちゃんねる管理人 ろす様、イースト株式会社様、超助かってます有難う!!!!

『ボルジアの紋章』kindke版と他電子書店版の違い

kindke版の解説にも書きましたが、『ボルジアの紋章』第三話「THE VENETIAN ~ヴェネチアの暗殺者」はkindke版が「翻案版」他電子書店版が「完訳版」となっております。

詳しい話をしますと、THE VENETIAN原文では第一話THE URBINIANに登場するオリジナルキャラクターのピエトロ・コルヴォが陰謀グループの一員として再登場し、死亡するのですが…この二つのエピソードはTHE URBINIANが1503年6月、THE VENETIANが1500年11月の出来事なので、矛盾が生じてしまうのです。

連作中編のうちの一作であるTHE VENETIANですが、これには過去にThe Word of Borgiaというタイトルで発表された単発短編という原型があるのです。

多作だったサバチニはしばしばこういう自作リサイクルをやっているのですが、この原型版にはGino d'Agnoloというチェーザレに恨みを持つローマ人の文筆家が登場していました。
恐らく締め切りに追われた多忙なサバチニ先生は、連作中編化に際してこの文筆家ダニョーロの位置に魔術師コルヴォを挿入して書き飛ばしちゃったんだろうな…と。

ちなみにこの改作の過程でのチェックミスで、暗殺グループの人数についても矛盾が生じ、最終的に処刑された人数は謀議に参加していた人数より一人少なくなっちゃってます…。当時のイギリスの編集者、ちゃんと校正しようよ!

「翻訳者」の分を超えた修正はしたくはなかったのですが、流石にこれは…と悩んだ末にkindke版THE VENETIANではコルヴォの存在抹消、他電子書店版では原文に沿って翻訳、としました。
暗殺者の人数問題は現状は手付かずですが…ここを調整するか、コルヴォに関する記述をダニョーロに置き換えて復活させて第三版とするかで悩み中…。

kobo版は販売しません

現在『ボルジアの紋章』を販売しているのはAmazon Kindle、ブクログのPuboo、seesaaのforkN。これに加えて学研系のBeyond Publishingでも準備中。

同じデータをアップロードすれば事足りるものではなく、それぞれの仕様に合わせて元データを作成しなければならないので手間がかかります…。

以前はPuboo経由で楽天koboでも販売していたのですが、Kobo Writing Life日本版スタートに合わせて改めて楽天側の「パブリックドメイン作品の独自翻訳」に関するポリシー等を確認したところ、翻訳者の二次的著作権に関する先方の考え方が到底許容できないものだった為、参入見合わせ及びPuboo経由Kobo版も自主的に販売取りやめに致しました。この件については後日別稿で詳しく説明します。