このページにはビジュアルノヴェル『うみねこのく頃に』『うみねこのく頃に散』のネタバレが記載されています

金蔵の三択問題

三択問題。以下に掲げる三つの内、二つを得るために、一つを生贄に捧げよ

  1. 自分の命
  2. 自分の最も愛する者の命
  3. それ以外の全員の命

何れも選ばねば、上記すべての命を失う。

金蔵(現実)
3を選択。
日伊両軍の死体の山を踏み越えて、ビーチェと結ばれ黄金を得た。

EP4 譲治(ファンタジー)
3を選択。
「紗音と結婚すると決断した段階で、既に親族一同を敵に回す覚悟は完了しているので」

EP4 朱志香(ファンタジー)
1を選択。
「嘉音くんと誇りを持って向き合える自分でいたいので」、2と3は選べない。

EP4 朱志香(ミステリ)
3を選択。
真当主に命じられるまま、戦人に魔女幻想を信じるようにと嘘をつき説得。

この時点で譲治が実際に殺されているのを知っていたのかは不明。
嘘電話をかけた時点では、生死のかかった問題とは認識しておらず、あくまで狂言と信じていた可能性が高い。

とはいえ、なんにせよ「1を選択」は幻想であり、ジェシカは「愛する父母」と自分を優先する決断をした。

EP4 真里亞(ファンタジー)
金蔵が上機嫌で「文句なく合格」と言ったことから、即座に3を選択したと思われる。
まだ幼く世界の狭いマリアにとっては、自分と「やさしいママ」が全てなのだろう。

(ちなみに「白魔女」時代の現実マリアは、「自分ひとりが犠牲になることでクラス全員が不運を免れる」ことを受け入れ、いじめを甘受していた。つまりは1を選択していた)

EP4 戦人
「俺に特定の女はいねぇぜ」につき、選択問題が成り立たず。

実は、このもっともらしい当主の資格テストは、バトラに想い人の名を口にさせる為のテストだったのであるが…。

戦人(現実)
その経緯は描かれてはいないものの、He got married and then there were none. という結果から見れば、3を選んだことは明白。

そして3を選んで魔女を伴侶にした彼は、金蔵Ⅱ世として再生したことになる…。

「ミステリ」や「現実」でジョージが何を選択したのかは不明だが、ゲーム内で明示・暗示された限りにおいては、金蔵の孫たちは全員3を選択しているのである。

…では、最後に残った孫である右代宮縁寿の選択は?

縁寿の三択問題

EP8における縁寿の選択を金蔵の三択問題に当てはめて

  1. 自分の命
  2. 自分にとって一番大切なもの
  3. それ以外の全部

以上のうち、どれかひとつを捨てよ
…とすると

  1. 真実に耐えられず、高層ビルから投身(ひき肉END)
  2. 真実を得る事を放棄し、希望という名の幻想を選んで心穏やかに生きる(魔法END)
  3. 真実に耐え、他者に対する甘い幻想を捨て、非情に現実を生きる(手品END)

作中現実においては、1998年10月に右代宮縁寿は失踪している。

自殺なら新聞ダネになり第三者にも観測できる「一なる真実」として確定しているはずなので、1は回避されたと思ってよい。よって出題は2か3を選ぶ二択になる。

妹煩悩なバトラお兄ちゃんとしては2を選択して幸せになって欲しいとは思いつつも、金蔵Ⅱ世の立場からすると、あらゆるお膳立てをして2に誘導したのに、それでも尚エンジェが3を取れば、「流石は最後の右代宮」で、それはそれで天晴れと思っているのではなかろうか。


どちらをとるにしろ、「確固たる信念と揺るがぬ強き自らの意志」で選ぶことこそが重要なのだし。

紫字の意味、あるいは無意味

ベルンの紫字ルール

  • の発言は、赤き真実と同じ価値がある。
  • ただし、犯人のみ、の発言でウソがつける。
  • 犯人でない人物は、真実のみを語る。
  • 犯人の定義とは、殺人者のことである。

ベアトの二択問題
魔女は、そっと左手を差し出し、縁寿の顔に近づけた。
手のひらは空。その手を振り回し
魔女はゆっくりと、その右手の拳を開く……。
そこには飴玉。

ベアトが「犯人」の場合は大別して、

  • a. 「検めさせたはずの手から飴が出てくる」
  • b. 「語られた通り」

の二つの可能性がある。

ベアトが「犯人」ではない場合、b. 「語られた通り」

a.の場合、不思議な魔法か手品のトリックだが、 b.の場合は中を検めていない右手に飴玉があっても何の不思議もない。
(「両手を検めさせた上で、片方の手をミスリードに使用し、もう片方の手に飴出現」なら手品として成立するのだが)


ベアトが犯人の場合、その飴出現は魔法で行われたのか、手品(ニンゲン技)で行われたか、の二択が成立する。
ベアトが犯人ではない場合、不思議な現象は何ひとつ起こっていないので、二択は無意味。

…なのだが…二択に応じないとエンディングを迎えられないので、強制的に犯人はベアトで彼女はウソツキという事になる。


紫字を使った出題に対しては、本来は

  1. 何一つ不思議なことは起こっていない(現実=六軒島事件の一なる真実)
  2. 魔法(奇跡を祈り、亡き人たちの思い出を抱いて生きる)
  3. 手品(未練を捨て、絶対の意志で真実を追い求める)

の三つの選択肢があったはずなのだ。

しかしエンジェの死を望まないバトラ卿=フェザリーヌは、1という選択肢を間引こうとした。
そして、単に選択肢を隠すだけではエンジェが納得しない事は分かりきっていたので、フェザリーヌの日記公開イベントという茶番を仕組んだと。
クイズパーティーのジェシカのように、省いた選択肢である「一なる真実の書」というビックリ箱を開けてエンジェを脅かしたのだ。事後確認ではないのでアタリの確率は変動しないが、「迷ったときは初志貫徹」がポリシーのエンジェに対してさえも、強力な揺さぶりになるだろう。


「六軒島事件の一なる真実」という選択肢を外し、「あくまでも犯人は魔女」という前提に立った選択肢しか与えない…なかなかに手の込んだ誘導である。


そもそも、出題時のベアトのパフォーマンスを無視して、クリック時の「出題文そのもの」だけを見れば、全てが黒字で書かれており、そこから導き出される回答は「魔法でも手品でもない、何も不思議な事は起こっていない」なのだ。
論理的に筋の通った選択肢が省かれて、出題者に都合の良い選択肢に誘導されているのに、回答者(=我々)は情緒的に誤魔化されて納得させられてしまう。詐欺やマルチやカルト宗教の手口である。実にタチが悪い。

ともかくも、どのような形であれエンジェが生きていてくれさえすれば、バトラ卿としては御の字。魔法か手品かは最善次善の差でしかないのかも知れない。


尚、エンジェが島に着いた当初のベアトの魔法も、左手→右手
にもかかわらず、何故かエンジェは魔法か手品かと驚いている…

実際には左手→右手なのに、GMの装飾によってエンジェ主観では「検めたはずの手から飴玉が出てきた」と幻惑された?
この段階から既に、エンジェも我々もGMの手の内で踊らされていたという訳か。